2008年04月30日

森の幽霊

この季節、森には幽霊が現れる。

名前は「ギンリョウソウ」。別名「ユウレイタケ」。
ただ漢字で書くと銀色の竜に見えることから、「銀竜草」。ちょっと違う意味になる。

これは「腐生植物」と言って、4月から梅雨時まで、湿り気の多い森に生えるキノコの菌から
養分を得て暮らしているのだが、薄暗い森に「ぼ~っ」と立つ姿はまさに幽霊を想像させる。



この植物が必要とする「湿り気」こそが今、とても少なくなってしまった。

コンクリートで固められた街はヒートアイランド化し、熱く、乾いている。
郊外の山々もスギ・ヒノキを中心とした保水力の低い樹木ばかり。
みなさんのまわりに土はありますか?泥はありますか?

そして、乾いているのは街や森だけではない。
毎日のようにニュースで流れてくる、数々の異常な事件・・・・・・。

いちばん乾いてしまったのは、人の心かもしれない。



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2008年04月26日

生きものバンザイ!その2

「ねぇねぇ、ヤゴの中で何がいちばん好き?」
と聞かれたら俺は迷わず、「やっぱコシボソヤンマだな。」と答える。

だからぜってーそんなこと聞かれないっつーの。

ヤゴってつまりトンボの幼虫のことだが、ひとくちにヤゴっつってもいろんな形がいて
おもしろい。


左上の木の葉みたいなヤツはコオニヤンマのヤゴ。その下のクモみたいなのがコヤマトンボ。
で、右上の細いのがニシカワトンボで、その下が子供に人気のギンヤンマのヤゴ。

成虫になると似たような形なのに、幼虫時代はこんなにも姿が違うのがおもしろい。
またトンボって一生を水陸両方で過ごすため、ともに環境が整っていないと生きていけない。

つまりいろんな種類のトンボがたくさんいる場所ってのは森も水辺も整った、とても
いい環境、ってことが言えるわけだ。

ちなみに日本は大昔、「秋津島」(あきつしま)と呼ばれていた。
これは「トンボの島」って意味。日本にはそれくらいトンボがたくさんいたってことだろう。

けれども今じゃ、トンボもタンボもめっきり減ってしまった。悲しいことだ。

じゃ最後に、トンボのヤゴの一発芸を・・・・・・。

俺の好きなコシボソヤンマのヤゴさんがお届けする・・・・・・・・・・・・
            
            名古屋城の金のシャチホコ!!って黒いけど。

こいつは敵に襲われるとエビぞる習性がある。で、それを2匹並べると・・・金のシャチホコ。
誰が何と言おうと・・・・・金のシャチホコ。 ね!


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2008年04月24日

カエルたちの嘆き

「ねぇねぇ、カエルの中で何がいちばん好き?」
と聞かれたら、俺は迷わず「ヒキガエル!」と答える。

たぶん一生のうちでそんな質問されることはまず無いだろうが。

一口にカエルといってもそりゃいろんなのがいる。
きっといちばんよく目にするのがアマガエルだと思う。

なぜかって言うと、もっとも人間の生活に近い場所で生きていけるから。
吸盤があるからコンクリートの壁も登っていけるし、体が小さい分、エサも小さくてよい。
(蚊はいっぱいいるもんね。)

          <ちなみにこいつは「シュレーゲルアオガエル」。
           アマガエルのように耳の横に模様が無い。>

けれど逆に、人間の暮らしに沿って生きていけないものたちはつらい。
強い農薬使えばエサもいなくなってカエルも滅ぶ。用水路をコンクリートで
固めれば水草も生えない。メダカも卵が産めない。
手に吸盤の無いトノサマガエルなんかは冗談抜きで用水で溺れ死ぬことが
あるのだ。最近見た?トノサマガエルを・・・

      <絶滅危惧種の「ダルマガエル」。水田環境の悪化により数が減った。>

さて話は戻るがヒキガエルである。
俺が言う「ヒッキー」とは宇多田ヒカルのことではなく、ヒキガエルのことだ。
俺が言う「あゆ」とは浜崎あゆみのことではなく、魚の方だ。どうでもいいけど。
俺がなぜこのカエルが好きかというと、まず第一に、ブサイクだからである。
第二に、でも愛嬌があるから。世の中、ブサイクだけど愛嬌があるものってけっこう人気が高い。

        <確かにワルそ~な顔しとる。けど性格はおとなしい。そこがいい。>

そして彼らはとてもけなげである。森で寒い冬を耐え忍び、春先に水辺へ降りてきて相手を見つけ、
交接して卵を産む。でもまだ寒いのでもういっぺん森へ寝に帰ったりもする。

<穴の奥にヒキガエルがいた。冬、ここで過ごしてたんだろう。まさに「ヒキこもり」である。>

ヒキガエルは森と水辺、両方がないと繁殖できない。もし水辺が埋め立てられてしまってもやっぱり
彼らは森から降りてくる。何も知らずにやってくる。・・・・・そして途方に暮れるのだ。

「あれ?ため池がなくなってる!どうしよう?卵が産めないよ・・・・」
               
             最近、どんどん減ってゆく水辺。カエルたちの嘆きが聴こえる。



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2008年04月19日

クローン牛、迫る!

我々は毎日、遺伝子組み換え作物を食べている。
避けているつもりでも、知らず知らずのうちに食べさせられている。

日本では2000年に遺伝子組み換えの表示義務ができはしたが、実際はしょうゆや
コーン油は対象外、家畜への飼料も対象外。また加工品の原材料は含有量の多い
ものから3番目まで。含有量が全体の割合の5パーセント未満ならば、表示義務すらない。

アメリカで昨年作られたトウモロコシは7割以上が遺伝子組み換え。
大豆にいたっては9割以上が遺伝子組み換え。

昨今のバイオ燃料ブームによって今後さらに我々は、アメリカやカナダから入ってくる
遺伝子組み換え作物を食わされてゆくのだろう。

そしてついには肉までも・・・・・・・・。

人間が作り出した命、「クローン牛」が日本の食卓に迫っている。

欧州食品安全機関が「クローン牛は安全」とする報告書を出し、アメリカの食品医薬品局
(FDA)も今年1月に「特定の危険性はない」という報告をまとめた。

そして我が日本の農林水産省所轄の研究所もそれに追随する形で、「普通の牛との
生物学的な差異はない」という結論を出してしまった。

ついに、夢の食べ物が食卓にのぼる日が近づいた。生きものはコピーできるのである。

イギリスで初めて体細胞クローン羊、「ドリー」が誕生したのは1996年7月のことだった。
思えばあれから12年、人類はひたすらテクノロジーを追求し続け、ついには生命を操作
することに対しても何の罪悪感も抱かなくなってしまったようだ。

つい先日のことだったはずだ。「食の安全」が声高らかに唱えられていたのは。

中国野菜に対する不信感、39パーセントを切った自給率の向上、
地産地消、生産者の顔が見える食べ物づくり、フードマイレージゼロ、
そのためには我々消費者も多少の経済的な痛みは負いましょう、と決めた覚悟。

あの時、日本の「食」と「農」はターニングポイントを迎え、少なくとも今までのような
バカげた政策は改善される方向に向かっていたはずだった。
その流れに、すべて逆行するかのように接近してきた「クローン牛」。

大丈夫。安全。それに何より経済的。

またしてもすべてにおいて優先される経済という軸。アメリカの思うがままの食料戦略。

はたして安ければ、そして安全ならばそれでいいのか?
そこには「絶対に立ち入ってはいけない領域」という倫理観はないのか?

殺すための命をつくり出し、そして殺す。人間の手によって、人間だけのために。

それがどれだけ自然の摂理に反したことなのかも気づかずに、それが「繁栄」ではなく
「滅亡」への道だということもわからずに。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そしていつの日か、人間は人間をつくり出すだろう。

「食べものは、かつて生きものだった。」


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2008年04月16日

水辺のハートマーク

前回、ハートを背負った小粋なカメムシを紹介したついでに
今回は、水辺で見られるハートマークを紹介しよう。

これだ。

          <ニシカワトンボの交尾>
・・・・いいなぁ・・・・
いいなぁじゃねーよ。

これは「均翅形」といって、オスとメスがタンデムになってから
オスがまず精子を交接器へ移し、そのあとメスが生殖門をオスの
生殖器に合体させて交尾をおこなうタイプのトンボである。


          <ミヤマカワトンボの交尾>
・・・・うらやましいなぁ・・・・
だからうらやましがるなって!!

どうでしょう?水辺のハートマーク。

生きものたちの生の(性の?)営み。本人たちは「見ないで!電気消して!」
とか、「いや逆に見られてた方が燃えちゃって・・・」
とかいろんなこと思ってるかもしれんが、とにかくこれを見かけるとね、
なんとも微笑ましくて、優しく見守ってやりたいって気持ちになるんだよな。

・・・・・・・・・・・・・トンボたちも、愛を育んでいるのです。


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2008年04月13日

生きものバンザイ!その1

生きものはおもしろい。

「お前、なんでそんな形?」とか、
「お前、なんでそんな生き方?」とか。

何よりどんな生きものも、与えられた生を一生懸命生きている。
それを見て感じてやってほしい。

「命は尊い。命を大切に。」なんて子供に教えなくていい。

それより森へ、川へ、海へ飛び出しそこに生きる命に触れてみることだ。
きっと愛しき彼らたちが100の言葉より雄弁に、
僕らに大切な何かを伝えてくれるはずだ。

そこで今回紹介するのがカメムシ。
カメムシの仲間は臭いので嫌われることが多いが、
とても綺麗だったりおもしろい模様のものが多い。

今回登場するカメムシの名前は、、「エサキモンキツノカメムシ」。
こ、こ、こいつってばよ・・・・・・・



背中にハートマークあるやん!!

・・・・・・・・・来年のバレンタインのプレゼントにどう?


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2008年04月10日

森の事件簿

森の中はおもしろい。

さらに、様々な生きもの達の命のドラマを感じることができたなら、
自然はもっとおもしろくなる。


これはご存知の方も多いと思うが、リスが松の実を食べた跡、
通称「リスのエビフライ」。一度お子さんといっしょに探してみると楽しいと思うよ。


こちらはイノシシの食痕。イノシシって不器用そうに見えるが、実に上手に
口と鼻だけでクリを食べる。たいしたもんだ。


「モズのはやにえ」。保存食用だと思われるが、モズはこうして虫やカエルなんかを
とがった木の枝にぶっ刺しておく習性がある。
でもこんなの森の中で突然発見すると、ちょっとドン引きする。


このガイ者はカブトムシ。そしてホシはおそらくカラス。
カラスってけっこう森の中へカブトやクワガタ食いに来るのだ。栄養あるからね。


これ歯の形からすると、何かの草食動物が何かの肉食動物に食われた跡。
上あごだけが残ってた。じゃこの森にすむ肉食動物って何?
・・・・・って推理していくとおもしろくない?

 
左はかなりでかいゲンゴロウブナ。犯人はおそらくネコだろう。右はアカミミガメ。
陸地に産卵に来る途中でやられたか?でもこんなん食うやついるの?ネコじゃ無理だろう。
じゃあ野良犬?もっと大きな生きもの?・・・・・自然はわからん事だらけだ。

最後に・・・・・


コワっ!!これコワっ!!
シイタケ栽培してるとこにあったサルよけのウィッグ。リアル過ぎ!見た時ちょっとチビった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・いかがでした?森は事件にあふれてる。


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2008年04月07日

それぞれの貝

今、貝が旬である。

この時期は産卵を控え身もプリプリだし、干潮の時間が昼間ということもあって
潮干狩りにはもってこいの季節なわけだ。

そこで先日、愛知・三河湾の梶島というところでアサリを獲ってみた。

ひいき目無しでここのアサリは日本一といっても過言ではない。
でもって、梶島アサリを使ってダッチオーブンで、「海鮮パエリア」を作ってみた。

どうっすか?もうこれがカンベンして!ってくらいにうまかった!
身近な自然でおいしいものが獲れるって、とても幸せなことなのだ。

さてもうひとつ、今度は名古屋市を流れる一級河川、庄内川河口に広がる
「藤前干潟」でシジミを獲ってみた。
藤前干潟はラムサール条約の登録湿地にも指定され、世界的にも渡り鳥の
飛来地としてとても有名かつ大切な場所である。そんな場所のシジミだけに・・・・

う~んこちらもでかくて身がギッシリ。かなりうまそうなヤマトシジミだ。
では今回はシンプルにお味噌汁で・・・・いただきま~す!!

では問題です。
庄内川河口のこのシジミは、はたしてどんな味がしたでしょうか?

・・・・・・・・答えは・・・・・・洗剤の味である。

もしくはヘドロの味?もしくはドブの味?もう何でもいいや。
とにかくとてもじゃないがまずくて食えない。っていうか食ったらヤバイ味なのだ。

ごめんなシジミ・・・。ホントはおいしいはずなのにな・・・・・。

島のアサリと河口のシジミ。それぞれの貝。なぜ一方はおいしく、一方はまずい?
なぜ、洗剤の味がする?それは、どこから出たもの?

そしていつの日か、本当にうまい藤前のシジミが食いたいなら、
・・・・・我々はどういう努力をすればいい?

台所と海はつながっている。我々の生活と自然はつながっている。
いやそうじゃない。自然の中に、我々人間の暮らしがあるのだ。

それを味噌汁の中のシジミが教えてくれている。

           PS・三河湾を汚すものの60パーセントが、「生活排水」。


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2008年04月03日

森のラーメン

もう今日からは怒るのやめます・・・・宣言!

それより自然の中の楽しさ、面白さをこのブログで伝えていくことにする。

第一弾は・・・「ヒサカキの花」。

3月末から4月、森に足を踏み入れるとプーンと漂ってくる「調味料に似た香り」。

その香りの元がこのヒサカキの花だ。「榊に非ず」「姫榊」
が語源となっているこの植物は、本州を始め丘陵帯のどこの森でも普通に
見られる常緑の低木である。

花は白色。ズラリと並んだ姿はとても可愛らしいが、問題はその香りだ。
だまされたと思って一度匂いを嗅いでほしい。

なんと・・・・「ラーメンの粉末スープの香り」!!

こんなこと図鑑には書いてないと思う。でも植物からラーメンのスープの香りなんて、
いやあ~自然って面白いと思わん?



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